「奈良の大仏」として知られる東大寺盧舎那仏像の制作が始まったのは745年。国家の平和と安定を願い、聖武天皇の発願で制作された盧遮那仏像は、752年4月9日に魂入れの儀式である開眼供養会を行った。高さ約15m、重量推定約380tという巨大な仏像の制作は、当時の日本の人口の約半分である260万人が関わったと言われる程の大規模プロジェクトであった。
東大寺はこれまで二度にわたる戦火に見舞われていて、現在の大仏の姿は修復されたものである。したがって近年の研究では、当時の大仏は金色の姿で、「螺髪(らほつ)」と呼ばれる髪の部分は青色だったのではないかと言われている。
