4月8日は「仏生会」と言って釈迦の誕生を祝う仏教行事が行われる日である。「灌仏会」「降誕会」「花会式」など様々な名称があるが、各寺院では花で飾った小堂を設け、銅でできた誕生仏像の頭上から僧侶や参詣者に柄杓で甘茶を注いでもらうのが一般的な習わしとなっている。
釈迦は生まれるとすぐに七歩あゆみ、右手で天を、左手で地を指し「天上天下唯我独尊」と唱えたとされている。この時の姿を表したのが誕生仏の像であり、甘茶を注ぐのは、八大竜王が釈迦の最初の言葉に歓喜して甘露の雨を降らせたといういわれから。仏生会は、日本では606年頃に中国から伝わり、室町中期以降では全国の寺院でも営まれ、晩春の季語にもなって親しまれている。
